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管理人の萌や日常を徒然なるままに。。。
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モンモンと考え中…
エロだよ…


続きからちょっとずつw




闇の中で、馬超は眼を開いた。

目の前に横たわるのは更なる闇、
生きる価値の無い、見出せない世界。


背中に暖かい体温があった。
それさえ、馬超には生きる意味にもならない。

自分は生かされていると思う。
錦馬超という名、武と言う物言わぬ宝、蜀は己を喰らう国だ。
だがもう、どうでも良いと思っている。

無理やり繋がれた身体はだるい。
拭い去れぬ倦怠感に、再び馬超は目蓋を閉じた。


後ろにいる男の名は知っている。
趙雲、字は子龍と言う。
だがそれ以上を、馬超は知らない。

初めて会ったのは宴の席だった。
初めて抱き寄せられたのは、
その宴席を抜け出した廊下だった。
初めて身体を交えたのは、
導かれるままに連れて行かれた彼の執務室だった。

出会ってから今に至るまで、
可笑しな事に言葉の一つも交わしたことがない。
職務での挨拶も交わしたことが無いのだ。

会議で彼の声を聞くことはある。
だが、会話と言うものは成り立った事がない。


彼の、自分に向けた言葉は只の一つも聞いたことがない。


聞きたいわけではない。
聞いたとしても、己の心はその中に何かを見出す事はないだろう。

生きることも、身体を愛でられる事も、
男に犯されることも、背中に熱があることも、どうでもいいのだ。

仮に、他の誰かが趙雲のように己を抱こうとしても、
今の自分は抵抗さえしないだろう。
そのまま抱き殺してくれればどれだけ楽か。
死ぬ気力も無い、それにも、価値が見出せないだけ。


それを、されないのには訳がある。


趙雲との仲は周知の事実なのだ。

宴会の後直ぐ、
まだ日の高い廊下で抱き寄せられた。
やはり馬超はそれに抵抗もせず、
趙雲も言葉を交わすことが無かった。
その姿は親しく寄り添っているように見えたのだろう。
以来、誰も馬超に言い寄ろうとはせず、
公私混同を恐れてか執務で共になる事もなかった。



それゆえ、今に至る。



睡魔に、身を委ねた。

もう、どうでもいい、どうでもいいのだ。


ただ、この身体を温めてくれる快楽が、
この大地に辛うじて馬超の足を下ろさせていた……。

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