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管理人の萌や日常を徒然なるままに。。。
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だって。

でも、私とcurryの隣にいたのはmen。
最初は「男二人でイブに予約って…」
って言ってたんですが。

次第に。

「パートナーかもしれないよ!!!」

と私が勝手に暴走しだし←

クリスマス趙馬をモンモンと考えてたら、
ちょっと倦厭してしまっていた兄弟パロが頭を擡げたのでした…。
いい感じいい感じ。
このまま克服してしまえ私!!!!


という勢いに乗ることにして、
続きから兄弟趙馬パロです。




今年も終わりに近付いたが、
寒いだけで一向に空から雪なんて降ってはこない。
ジングルベルの商店街も、
ショーウィンドウや看板やイルミネーションが白く光るだけ。

元より人ごみの嫌いな馬超は、
論文の気晴らしにと物の余りない部屋を片付けていた。


ゼミは中々に忙しいが充実している。
大学を辞めようとさえしていた去年の今頃を思えば、
本当に天と地の差のようだ。
余り広くない部屋を占拠するベッドにも沢山思い出がある。

兄さんと同じ大学に入り、この家に転がり込んで、
最初の日曜日に大型家具店へと二人で向かった。
ベッドは大きい方がいいと言われて無理やり選ばされたクィーンサイズのベッドは、
最初に寝たとき酷い孤独感に包まれた。
隣の部屋の兄と言う存在との、決定的な境界線のようで、
死体のように横たわってただ壁を見つめていた。
向こうにいる人を眠って唯見つめていた。

もう一年も前になる。
この世の終わりって本当に在るんだなと思うほど泣いた、
兄さんという形を失ったあの日、
どれだけこの羽毛布団は塩っ辛い涙を吸い込んだのだろう。

沢山の嫌な思い出を抱えたベッドだけれど、
最初に告白されたのもそういえば。

「……」

長い四肢を投げ出しても端に手の届かないベッドの上で、
馬超はベッドサイドの引き出しを展開した。

溜息をついて耳朶に触れる。熱い。

何時もなら外に出て気晴らしをするのだが、
今日は外出禁止令が出ている。
逃げるなよと笑った彼の顔が脳裏をよぎり、
突っ伏したくなった身体を懸命に押し留めた。
今まで出来なかった沢山の幸せを、
趙雲は一つ一つ楽しげに開けていく。
今は手を引かれるだけの自分だけれど、
何時かは自ら幸せの蓋を開けられるだろうか。

ぼんやりと引き出しを漁っていた。
ちりんと小さな音がする。
おや、と思って音の主を探すと、
ビロードの柊にプラスチックの実がついて、
金色のリボンが結んである。
白い芯が付いているから、
元はクリスマスケーキにでも刺さっていた飾りだろう。
くるくると棒の部分を指で摘んで回しながら、
ちりりと響く小さな音に耳を澄ましていた。

そういえば昔も、こんな風にこの音を聞いた気がする。
何のときだっただろう。

「…出てこないと思ったら…」

不意に掛けられた声に振り返る。
部屋も暗いままでと、愚痴を零しながら電気をつけた兄がいた。
ふと、彼が視線を落とす。

驚いたような視線に、少し飾りを握りこんだ。

「持っていたのか…」

ぎしりと音を立てて、寝台が沈む。
遥か遠くにしまいこんでいた記憶が浮上したとき、
手の中から菓子飾りを奪われた。

「お前にあげる」

す、と。
髪に差し込まれた…クリスマス飾り。






まだ自分が高校生だった頃。
甘いものの嫌いな兄が実家に帰ってきたクリスマス。

控えめに切り分けられたクリスマスケーキ。
自分のそれの上にはチョコプレート、
兄さんのそれの上にはクリスマス飾り。

少しだけでも食べなさいと言われた彼は、
飾りを引き抜いて棒に付いたクリームだけを舐めていった。

『お前にあげる』




あのクリスマス飾りは、あの時、馬超のケーキに刺されたのだけれど。

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