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管理人の萌や日常を徒然なるままに。。。
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こんばんわ。
精神衛生的によくないから21時に上がろうという
内部規定を勃発したしーです。


携帯でてちてち売ってたんですが、
中途半端な長さでPCも携帯にも上げられない…。
まとまったらどうにかなるかなって感じですが、
続きにアップします。

パラレルで、別れモノです。。。




「……解った」


どれほどかの沈黙の後に、やっとその言葉を出した。

それでも、馬超は視線を合わせてはくれない。
食べかけの朝食を、じっと見つめている。
いや、見てはいないのかもしれない。瞬きを忘れた瞳から、流れるままに涙が流れていた。

さっき、本当についさっき。
話があると言われてテレビを消したその時まで、沈黙は心地良かった。
静けさが苦にならない事が嬉しかったのに、今はこんなにも辛い。

今までの当たり前が、ずっと続くと思っていた。
当たり前に明日が来て、今日を繰り返し、
それが来週も来年も十年後も続いているような気がしていた。
手を伸ばせばお前がいて、触れることが出来て、抱き合って、
それで愛していると言えれば幸せだった。



切り出されたのは 別れ だった。


馬超という男と付き合って二年経った。

つい先月、二度目のクリスマスを祝って、プレゼントだって渡した。
幸せそうにお前が笑って、私も同じように幸せだった。
あの時、お前はもう、今日の日を考えていたのかな?

雪がちらついた大晦日、明るい出店と厳かなお寺の参道に囲まれながら、迎えた新年に。
今年もよろしくと、言った言葉に嘘など無いと思っていた。
あれは間違いだったのかな?

数え切れないほどの夜を二人で過ごしながら、お前は快楽以外の何を考えていたのだろう。
昨日も、いつもと変わらないセックスだった。
でもその時からお前は今を覚悟していたのだろうか?


何故、と言う、別れ際にありがちな疑問は浮かんで来ない。
そんなもの、今更どうにもならない。
ただ、私といたお前が、幸福を分かち合っていたはずのお前が、
今泣き腫らしているお前と同じに見えない。

もし、今のお前を必死に押し殺して私と付き合ってくれていたなら。
あのお前が、無理矢理作り出した幻想だったなら、
私独りが幸福だったのなら、なんて滑稽だろう。
私はお前を幸せにしようとしていたはずなのに、
現実は私独りが幸せを感じ、
お前はこんなに悲しんだ。


どうして言ってくれなかった。
今、この場で、別れという形でしか、私に伝えられなかったのか。
別れたいと切り出して、耐え切れないほど涙を流しながら。

どうして。
泣いてくれたりするんだろう。

ありがとう。
愛してくれて。

ありがとう。
別れに涙を与えてくれて。


「幸せに出来なくて、すまなかった」


あと、私がお前に出来ることは一つしかない。
お前が決めた未来を、遮る事なく、手を離して。


「もう一度だけでも…お前とクリスマスしたかったかな……」


さようなら、なんて、久しぶりだから、言い方がわからない。

ただ、ありがとうとだけ言って、部屋に入った。
私の家だから、行き場所はここしかない。
此処でひたすらじっとして、お前との最後の時間を扉越しに過ごす。
扉を閉めたまま、そこから動けなかった。
強く握り締めた拳は、どこにも振り下ろせない。

お前が、何時か、私ではない何処かの誰かと幸せになった時……。
その時私は怨むのだろう。

飾らない幸福を。

お前が笑っているということを。
望みながら、けれど。
泣きながら、愛していると叫びながら、何に縋ることも出来ないのに。

「愛しているよ」

たったそれだけだよ
それだけなんだよ

愛してるんだよ




あの時、解ったと言わなければ、なにかが変わっただろうか。
目頭がじわりと熱くなり、喉の奥が痛かった。
胸を掻きむしりたくなるほど苦しい、辛い、哀しい。
お前がいない、それだけが何より。
お前が愛しい、それだけを誰より。



「…行かないでくれ……」




お前に言えれば良いのに

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