忍者ブログ
管理人の萌や日常を徒然なるままに。。。
カレンダー
01 2025/02 03
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28
[190]  [189]  [188]  [187]  [186]  [185]  [184]  [183]  [182]  [181]  [180
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

昨日の続き。
パラレルとか別れモノとか嫌いな方はスルーで。

2600文字って、携帯サイトのせられないし、
パラレルだからPCサイトにも載せられないし、
どうしたらいいやら……。


そういえば、携帯から見ると改行が消えるね…
なんでだろ…
改行コードが変わっちゃうのかなぁ



 
扉が閉じる音がしてから、やっと、俺は涙を拭った。
噛み締めた奥歯が嗚咽を押さえ込み、暴言を押さえ込んだ。

趙雲は最後まで趙雲だった。
何をしてもそう。
食事をするのも、外出するのも、休日の過ごし方も、愛し合うのも……みんな、そう。

『お前がしたいことで良い』

馬鹿だな。
俺はお前のしたいことを聞きたかったんだよ。
全部俺のしたい事、我が儘放題叶えて、最後もそうして別れるんだな……。

俺達は愛し合っていたのかな?
俺のしたいことばかりして、お前の意志は何処にも無い。
過保護に箱に入れられて、大切な物に愛を囁いていたいなら、人形にすればいい。


俺は、お前が欲しかったんだ。欲しくて欲しくてたまらなかった。
けれど、それがお前の本質から逸脱した場所にあるなら、
俺が愛して求めたのはお前ではないんだろう。
自分で描いたお前を追い掛けるのは、もう、嫌だ。

愛されて、優しくされて、抱きしめられて、欲しいものを全てを与えられて……。
それがこのまま最後まで続くなら、その過程にある二人の時間なんてもう要らない。
わかり合えない恋愛なんて愛情は無い。本当に欲しいものは手に入らない。

お前を知ることが出来ない時間なんて無駄なんだよ。


俺は最後まで、お前を知ることは出来なかった。


女だったら出来たのかな?
俺に出来ない事を、彼女達は出来るのかな?

もっと器用に付き合えたのかな?
障害なんて本能や母性が軽やかに飛び越えて行くんだろうか。


願わくば本気で、俺を求めて欲しかった。


泣きながら、もそもそと残った朝食を食べた。
スクランブルエッグの味なんてわからない。
肩肘立てて、泣きながら食べたそれが、最後の晩餐。

自分を捨てて最後まで尽くした朝食が、最後に、俺のために作った食事を。残せなかった。

「……御馳走…さま」


フローリングが、しんと、静かだった。
初めて、食器をシンクに下げる。初めてスポンジを取って、初めて洗剤を泡立てて、初めて食器を洗った。
泡だらけの手で波だをぬぐいながら。
俺にはこんな場所も無かった。こうして、『生活』する場所が無かった。
お前にとっての俺は何だったんだろう。
餌を用意されて、愛でたい時に傍に寄り添う愛玩動物と一緒か、それ以下か。
俺にだって出来る沢山の事を取り上げられて、
世話しなく動くお前を見てる俺の事なんて考えたことも無いんだろう。

洗いあげて手を拭いて、その頃には涙も止まってた。
部屋に入って、ふと見たごみ箱。ぐしゃぐしゃになった紙が捨ててある。
半年も前に手に入れて、昨日、捨てた。だってそうだろう?

家族になんてなれない。


丸まったままのそれを、ぽんと後ろに投げて扉を締めた。


ダイニングに転がった、薄い紙。
名前書いて、我に帰った紙。
家族になりたいと言ったら、お前は二つ返事で応えてくれただろう。
お前の意志なんて見えないままに。

だから、出来なかった。


本当に、愛していたし、今も愛してる。

だけど。
お前は違う。



俺の事、愛しているなんて言いながら。




本気で、愛してるなんて、言ったこともないくせに。

拍手

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
忍者ブログ [PR]